逆鱗

名もなき塀の中の王の逆鱗のレビュー・感想・評価

名もなき塀の中の王(2013年製作の映画)
3.5
根源的な父子の想い

弱肉強食と言っても良いくらいの刑務所の中のヒエラルキー、
塀の外も弱肉強食だが塀の中の方が原始に近い

ドラッグ、タバコなどで力を持つこともできるし、仲間と組織だって仕切ることもできる
でも、根底にあるのは暴力による恐怖支配である

このような過酷な状況下で、収監されている父子の物語
刑務所内でも殺人を犯した父は終身刑、少年院でも問題児になって大人の刑務所へ移送された子は更生する気などなく気に入らない相手には暴力で応じる札付きのワル

この父子はやり取りから察するに、まともに一緒に過ごしたことはなく、常に夫婦喧嘩絶えなく、子が幼い時にすでに父は収監され、子は母からの虐待を受けて育ったようだ

誰から構わず暴力でねじ伏せるから、そんな子は刑務所のボスの逆鱗に触れ、命を狙われるのだが、ここで命がけで助けるのは父なのである

根源的な父子の想いを見た

ただ、父子愛、更生、刑務所内の汚職、何が1番のテーマなのかがわかりにくく、ボヤッとしている分もったいない
逆鱗

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