ムック829

博士と彼女のセオリーのムック829のレビュー・感想・評価

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)
3.8
ホーキング博士と妻ジェーンの半生を描いた伝記もの。
ホーキング博士のことは「天才で体が病気の人」程度の認識だったのでいろいろと知れて良かった。
エディ・レッドメインの身体の「動かなさ」の表現は、もうホーキング博士その人にしか見えなくて凄かったですね。

また自由に動かない身体に絶望するホーキングの苦悩、ホーキングを献身的にサポートする妻の苦悩がよく描かれていた。
そして身体が不自由だろうとホーキングも男であり、どれだけ献身的でも妻は女なんだな…とも思わされました。
直接的な描写は避けても、実話だけにそこはリアルさが感じられましたね。

まあやはりというか、私は奥さんのジェーンに感情移入をして見てしまった。
立て続けに子供が二人、博士を含めて子供三人の面倒をみているようなもんですからね。
だから彼女の行動を全く責める気にはならないし、よくそこまで頑張り通したなとすら思う。
特にホーキングが命の危険に晒された時にとった毅然とした対応は、愛情を越えた何かを感じました。
逆回転演出からのラストシーンは素敵。いろいろあっても、二人の歩んだ軌跡は美しくみえた。

博士の研究パートはほどほどに、夫婦二人の歩んだ半生を赤裸々に綴った飾らない映画でした。
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