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オデッセイのkochabのネタバレレビュー・内容・結末

オデッセイ(2015年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

映画「アポロ13」「ゼロ・グラビティ」「インターステラー」よろしく宇宙もの、特に帰還ものは”ハズレ無し”とも言われるような気がしますが、本作もそれが適用、ですね。まるで未来の話ですが、今起きているようなライブ感が映画からも伝わってきます。序盤はテンポ良く、というかアッサリと?火星に置き去りに。そこからは一つ一つ問題を解決する辺り、特にNASAとの交信がとれない間の自らの知恵で生き抜くところはいったいどうするんだろう?といった楽しさがありますね。そこから通信が回復し、NASAと連絡がとれる辺りからは地球からの知恵が来るわけですが、逆に言うとサバイバル感は少し薄れてちょっと間延びした感覚にもなるのですが...。
ラスト、救助案決定からはこれまたスピード感が増してきてラストまで一気に持って行きますね。それでも一人取り残された割にはそれほど悲壮感が(見せ)ない辺りは主人公の持つキャラクターなんでしょうね。

ほとんどがマット・デイモンの一人芝居で、それこそアクションから脱皮を図る彼がそこにいるかな、と思います。彼も幅を持つ俳優になったなぁ~、と思います。 特にラスト、(実際の映画では数年後でしょうが)40歳台半ばぐらい、壮年期のマット・デイモンがなかなかに印象に残りました。いい~感じに歳を重ねた良さが出てて、これがこれからの映画での彼をイメージすることができまして。できればこんな風になったら演技派とも呼ばれるようになっているかもしれません。

しかし、ちょっと話はそれますが、今月末に行われる米国アカデミー賞について。主演男優賞に本作でノミネートされているマット・デイモン。私は本作を観て思うのは今回の受賞はないかな~、と見ました。確かに本作は良いし、おもしろいのですが、「マット・デイモンならまだできるでしょ?」と言う感じで票が集まらないのでは?と思いました。だからここでは逃して別の作品で受賞、その時には「あのオデッセイにも出ていた」と言われるような、そんな気がします。
ちなみに主演男優賞、もちろんノミネート作品、日本公開はまだのものが多く、予告編だけの感想なのですが、私はエディ・レッドメインの2年連続、にかけたいと思います。

賞レースの話をしましたが、本作、オデッセイ、として見るならば私は脚色賞、視覚効果賞辺りは行けるのでは?と思いました。特に脚色賞辺りは本作の脚本として見た時にも良くできているのでは?と思ったので。

リドリー・スコットは実は私、あまり得意では無かったのですが、本作は彼の「入門編」にピッタリな作品ではないかな?と思います。
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