火星での探索ミッションの最中、独りその場に取り残されてしまう宇宙飛行士。救助なし、食糧残り僅か、果たして彼の運命やいかに、という話。
宇宙、火星での事故を題材にした映画でこんなにも前向きなのってあんまりない気がする。ちゃんとハラハラドキドキもするのに、イイ意味で安心して観れるというか。火星の壮観な景色を写す映像美、とその中での元々「植物学者」でもあるという主人公によるあれやこれやのユーモア溢れるサバイバル模様。その都度説明しつつ進めていく作業が見ていて非常におもしろい。しっかりとした科学考証があって描かれてるらしいけど、まぁ細かいことわからなくても「へー、そーなるんだー」くらいのニュアンスで楽しめるはず、自分もその口。もちろん緊迫する場面、一筋縄ではいかない展開というのもありつつ、でも終始ポジティブでどこか微笑ましいという。上映時間も気にならないほどにずっと見てられる感じはどことなく『キャストアウェイ』っぽい、ってのは関係ない話。劇中で使われる楽曲たちがまた良き、本来は孤独なはずの空間をそう感じさせない造りがグッド。にしてもマット・デイモンは孤独な役が本当によく似合うなと。脇を固めるキャストもなかなか豪華。ショーン・ビーン に「エルロンド計画」の話ってまんま『ロード・オブ・ザ・リング』じゃんね。
どんなときでもやっぱ卑屈にはなりたくないし、どんなことも諦めたくないよなと、そんなことを思い出させてくれる、「もうちょい頑張ってみよう」ってな気力を貰える、そんな良作。
祝Filmarksデビュー。初レビューおめでとう俺。
