【2015/11/25:新宿武蔵野館】
「お盆の弟」も素晴らしかったけど、渋川さんが演じる「中年になりきれてない中年」てホントいい。含蓄のあること言ってそうで全然言えてない感じとか、中身はないけどなんとなく笑える会話とか、鼻の下や膝の上あたりを掻く動作とか、あれ演技でやってるってすごい。
どこへも行けないのか、どこへも行かないのか。いわゆる地方都市の閉塞感が耐えられず力技で抜け出してしまった自分は、どこへも行かずに「モーターズ」に帰ってくる田中に感情移入はできないのだけど、なぜか肯定的に観れてしまうのは「自分自身が中年になりきれてない中年」真っ只中だからでしょう。
女の子のキャラが浅いなとは思ったけど、男子目線による「可愛い女の子リアリズム」なんてこんなもんなのかな。渡辺監督の撮るビーマイベイベな男子映画をまた観たいです。
「黒猫チェルシー」というバンドはよく知らないし、でもなんとなくティーン向けの健全なバンドなんだろうなと勝手に思っていて、そのバンドの人が撮った映画ってことで失礼ながらそんなに期待せずに観たのですが、始まって3分くらいで来てよかったーーと思いました。渡辺監督、映画好きなんだろうな〜(ワイズマンのトークショーにも呼ばれてたし)。
