曇天

デッドプールの曇天のレビュー・感想・評価

デッドプール(2016年製作の映画)
4.0
特に急いで観に行かなくても良かったのに観ちゃったよ。
シリーズでレビュー書いてジェームズ・ガンドルフィーニを追悼中だったのに割り込ませちゃった。…それというのも他のレビュアーさんがネタバレ隠しもせずついついお喋りになってしまっているものだから、我慢できるものもできませんよ!(いつも楽しく読ませてもらってます!僕はネタバレしませんがね!)

しかしこれは有難い映画である。だってそうじゃないか、映画でしかアメコミを知ろうとしない僕のような不勉強な輩にマーベルのクリエイター達はわざわざ映画なんぞをこしらえて、劇場でデッドプールに会わせてくれるのだから。そう、これは劇場に行けば僕らのアイドルに会うことができる夢のような素敵な映画なのです。はい。

考えてみたら久々の「アンチヒーロー」アメコミキャラ。平気で人を殺すのが売りなのはパニッシャー以来だよな(ウォーゾーンもゴーストライダーも未見だから04年のやつ)。しかもジャスティスリーグとアベンジャーズが揃ってコラテラルダメージ巡ってやいの言い合っているタイミングでコレぶつけてくるのって、狙いすましてるとしか思えん。でも殺すのは悪人だけ、悪人だから気兼ねなく気持ちよく殺せる。正直これが危ない。
デッドプールのキャラ的には下ネタ大好きお喋りミュータントということで、今回の年齢制限は不適切な「言葉」の方にかかっているものと思っていた。でもこの映画の構成から見れば「いとも楽しげに悪者を殺しまくっている」方がヤバイ。首は飛ぶわミンチになるわ拷問されるわ、これ見よがしのスローモーでヘッドショット…ちょっと待て最高かよ。映像的にグロ過ぎってのはないからその分見やすいし、何よりデッドプールがめちゃめちゃカッコよく人を殺すんだもの…、「大義名分でヒーローの人殺しが見れるぜヒャッハー!!」って願望が増幅していっちゃう。ちょっとこわいね。でも最高。

どうでもいいけど俳優ネタが皆アメコミヒーロー経験者ばかり、『127時間』の人はグリーンゴブリン、『96時間』の人はダークマンだし、ガンダルフも元マグニートー、エージェントスミスもVフォーヴェンデッタ、新フレディはロールシャッハ。

まあキャラは可愛いですよそりゃあ。スキップするデップー、「ワムじゃない、ワム!」、デップーの小っちゃなおてて…(溜息)。予告の見過ぎで既視感バリバリのシーンでも楽しい。皆さんは「応援上映」というものをご存知でしょうか。画面内のキャラクターが観客に話しかけるのに大声で応えたりサイリウムを振ったりするのが許されてる上映回のことで、一部のアニメ映画で盛況のようです。今日画面の向こう側から話しかけてくるデッドプールを見て、僕は応援したい人の気持ちがわかりました。好きな人に話しかけられるとドキドキするでしょうが、それと同じような感じです。心なしか劇場はおっさんが多かった気がしますが、きっとときめきを思い出して帰ったと思います。是非劇場で。チョコヨーグルトって何?
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