不死鳥の川

ランダム 存在の確率の不死鳥の川のネタバレレビュー・内容・結末

ランダム 存在の確率(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

彗星の地球接近により別の世界線の自分と入れ替わる人々の混乱と頭脳戦を描いたSFサスペンス映画。

2022年111本目。5年3ヶ月ぶり2度目の鑑賞。
3.9→4.0

もうこれは設定勝ちの作品だと思いますし、ロケーションもほぼ一室で有名俳優は一切起用しない低予算作品ですが、細かいところはさておきよくできたSFサスペンスだと思います。

きっかけとなる事件、混乱、状況を飲み込み始めてからの登場人物たちの行動と展開、ハッとするラストと教科書のように鮮やかな遷移だと思いますし、それぞれの段階での鑑賞している側の理解への合わせ方も丁度良く、置いてきぼりなることもなく、かと言って退屈でもないこの塩梅がなかなか良くできています。「シュレディンガーの猫」がモチーフとして出てきたりSF心が擽られます。

時系列の操作を扱う作品は結構あってその完成形がノーラン監督の諸作かと思いますが、パラレルな世界線自体の交差をここまで的を射てコンパクトに描いている作品はあまり観たことがないので、意義も大きいと思っています。
不死鳥の川

不死鳥の川