今は一線を退いたかつての名指揮者とその親友であり現役で活動を続ける映画監督の人生の喪失を描いたドラマ映画。
2023年88本目。
マイケル・ケインとハーヴェイ・カイテルを始めとした豪華な出演陣に惹かれて鑑賞しました。なかなかストーリーは深いものがあって、人生経験の乏しい自分には感じ入れないところもありましたが、独特の余韻を残すいかにもヨーロッパ的な作品でした。
イタリア人監督ということも関係あるのかはわかりませんが、映像がゴージャスで品がありました。さすが芸術の国の出身です。
歳を取る、というのはやはり恐ろしいもので、生きがいを手放さざるを得なくなったり、過去の己の行動に対して悔恨の念を抱く時間を与えたりと、様々な形で人生に喪失感を与えてくるようです。そんな中でもいかにして過去と折り合いをつけ新たな人生を踏み出せるのか、老後のテーマになりそうです。