ネタバレ
意外に魅せられた中東派遣女衛生兵の物語
個人的には米国中東侵攻・駐留政策には否定的立場。しかし派遣兵にはまた別の心情あり。
そんな派遣兵視点の映画は嫌々でもなるべく見るよう心がけている。
アフガン駐留任務から帰国した女衛生兵。15か月間元夫に預けていた子供を引き取ろうとするがその新しい妻にすっかり懐いてしまいヒステリーを起こしてしまう。
それでも軍の仕事と子育てを何とか両立させ新しい恋人もできるが、予期せぬ再度の中東派遣命令が下される。
一度は断り子供と一緒に赴任できる韓国駐留を希望し了承されるが、、後を引き継ぐ軍曹が妻との別れで精神失調を患い、やむなく子供と別れ中東行きを決断する・・・。
特別趣向を凝らすことのない淡々としたアメリカ的ホームドラマの体を取っているが、子供とママの新しい関係性構築、元夫とその妻との関係、メキシコ人の恋人との関係、軍における人間関係などエピソードの絡ませ方が地味に上手ということなのだろう。見飽きることなく結構ひきつけられてしまった。
それでも感情が動くまではいかなかったが、断腸の思いで元夫に子供の親権移譲をしようとしていたのに、元夫がそう望んでいたにもかかわらず親権移譲なしに子供を引き取ることにした場面ではちょっと涙ぐんでしまった。(これは男ならではの共感点かも)
軍人として国家への忠誠を遵守するか、ママとして子供を取るか究極の選択を迫られ、結局は国への忠誠をファーストとせざるを得なかった悲しき「軍人の性(さが)」を描いた佳品ヒューマンドラマ。
総評4つ星
002007