Eirain

バトル・オブ・ライジング コールハースの戦いのEirainのレビュー・感想・評価

3.2
マッツ・ミケルセン主演ということで鑑賞。原作はハインリヒ・フォン・クライストによる小説『ミヒャエル・コールハース』。

舞台は16世紀フランス。馬商人であるコラース(コールハース)が商売をしに市場へ向かおうとしたところ、領主であるトロンカ男爵にありもしない通行証を求められる。事を荒立てないよう、コラースは手持ちの黒馬2頭を担保として領主に預けるが、領主はその馬を酷使し、見るも無残な姿でコラースに返した。加えて自身の従者にも暴行を加えていたことを知ったコラースは、大法廷に訴状を提出するが、男爵の親族によって握りつぶされてしまう。そして、コラースの無念を慮り、自ら訴状を届けにいった妻は、衛兵らの暴行によって殺害されてしまう。怒りの炎を胸に、コラースは従者らを引き連れて、男爵への復讐に馬を駆る――――。

とりあえずマッツを堪能したい人にはおススメ。"復讐"、"反骨心"、"信念"―――彼の役柄を語る上でのキーワードと言っても過言ではなく、本作も例に漏れず。・・・というか、本当毎回こんな役ばっかりだな。そろそろ平和に暮らしても良いのよ?

『バトル・オブ・ライジング』という派手なバトルが繰り広げられそうな邦題がついているが、実際は非常に静かな物語。戦闘描写を楽しみにして観ると「期待外れ」となってしまいそう。(派手なバトルどころか、ちょいちょい眠くなってくる淡々とした展開なので。)

自身の"正義"のため、家族や仲間を巻き込んだコラース。自身の行動がどのような結果を生むのか分からないはずもない。それでも曲げられないことがある。それを曲げた自分は、果たして"生きて"いるのか―――。そんな強い"信念"が伝わってくる。この感情に共感できるか否か。
Eirain

Eirain