JunIwaoka

神様なんかくそくらえのJunIwaokaのレビュー・感想・評価

神様なんかくそくらえ(2014年製作の映画)
4.5
2014.10.26 @ 27th TIFF
(原題:Heaven Knows What)

グランプリを受賞したから言うわけじゃないけど、とんでもなく素晴らしかったわ。感動もなければ、奇跡も起こらないし、救いなんてまったくないんだけど、これが私たちの人生だという圧倒的なリアリティに打ちのめされる。"神様なんかくそくらえ"って邦題もすごいけど、ホント頭ぶん殴られたような今年1番のショッキングな作品。
NYのホームレスとしての実体験に基づくMad Love In New York Cityの原作者アリエル・ホームズ自らが主演しているだけあって、ストリートに生きる痛みの生々しいこと。ループする不協和音の心地悪さに、心ない罵声、クローズアップされる顔に映る目に気力はない。それでも唯一の生き甲斐である堕落的な愛と、その代替えのドラッグに刹那的に安堵し、その代償として映る傷だらけの腕には俺は目を向けことは出来なかった。そしてどんな不幸が訪れても、彼女たちの日常はそこしかないんだ。
上映後のQ&Aで監督が"彼女たちはホームレスという一つの選択をしている。"という回答に対し、アリエル・ホームズが"現代社会に適合出来ないだけであり、その選択から逃れられない。"と反論するやり取り凄まじかった。
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