シネラー

アバター:ウェイ・オブ・ウォーターのシネラーのレビュー・感想・評価

4.0
前作の3Dリマスター版を鑑賞した事で、
一層の楽しみとなっていた本作を
公開初日の3Dで鑑賞。
期待通りの美しい映画体験を届けてくれる
親子愛に満ちた作品だった。

物語は前作から十数年が経ち、
パンドラで子宝にも恵まれて幸せに
暮らしているジェイクらだったが、
再び人類側との抗争が勃発し、
海洋生物達と共存する
メトケイナ族の村に身を寄せながら
共に戦っていく内容となっている。
前作がジェイクが個人の物語だったのに対し、
本作はジェイク一家の物語という主旨が強く、
特に子ども達側によく
フォーカスされていると思った。
子ども達それぞれに悩みや葛藤があり、
ジェイクやネイティリも
人の親となった事での行動や考えが
顕著に描写されていて良かった。
相変わらず学んでいない人類側には
嫌悪感を抱くが、
欲深な目的で生物を殺す為、
前作以上に人間側が嫌と思った。
そんな中で前作からの悪役だった
クオリッチ大佐がまさかの再登場を
果たす上に、そこでも複雑な親子関係
が描かれていくのが印象的ではあった。
映像に関しては最高峰の美しさであり、
前作での密林や上空の描写を越えた
美しい水面や海中の生物達の描写は、
正にシュノーケリングをしたかの
ような体験だった。
前作以上に生物達との微笑ましい
交流が描写されていく為、
個人的に生物が好きな身からすると
それらの場面は羨ましくもあった。
水上や水中でのアクションが
豊富な内容でもあったが、
画面上で分かり辛いという事も無く、
終盤の戦闘や展開にかけては
『タイタニック』のようでもあって
爽快感もある楽しめる内容で良かった。

しかし、新たな要素や伏線がありつつも
対立構造や展開は前作と同様である為、
その点での新鮮味は薄いと思った。
又、中盤にかけての海の場面は
美しくて飽きる事がないものの、
物語的には停滞を感じる部分だった。

続編としては十分な面白味はあるが、
個人的に物語は前作の方が好きで、
映像的には本作の方が好きというように
感じる続編ではあった。
5部作の中で是非とも次回作では
大きな起承転結の転を期待したい。
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