sonozy

ビオラ/ヴィオラのsonozyのレビュー・感想・評価

ビオラ/ヴィオラ(2012年製作の映画)
3.5
アルゼンチンのマティアス・ピニェイロ監督作。

シェイクスピアの7作品を組み合わせたという作品を演じる女性劇団の俳優たちのクローズアップとセリフの応酬。
彼女たちの楽屋での恋愛観や男性関係に関する談義。
そして、恋人と別れようとしているサブリナに演技を通じて誘惑するセシリアという二人の俳優の関係性。

一方、ハビエルという男性と二人でダウンロードした素材や自主制作の音楽などをディスクに焼いて、自転車で配達するビジネスをしているヴィオラ(主人公)。
顧客であるアグスティン(サブリナの恋人)の家に配達に行った時に、たまたまやって来たセシリアと知り合う。
不在のアグスティンを待つ間、セシリアの車の中で待っていると、雨が降り出し、たまたま通りかかった別の俳優の女性も車に乗り込み・・

ストーリーというほどのものはなく、シェイクスピア劇のセリフが違うシーンで何度も繰り返されることもあり、クローズアップと会話が作品全体のリズムを生み出しているというか、独特の作風が良かったです。

ヴィオラとハビエルが二人のミュージシャンと共に演奏する自主制作の曲が、歌詞も曲調も変(クセ強)なのが可笑しい。
ジャケ写はこの二人のブランド「メトロポリス」の「M」の芋版(デカいジャガイモから作ってる)です。笑

キャストはみな監督と親しい劇団員で、台本の読み込みもテイク数も多かった模様。
2019年の「カイエ・デュ・シネマ」誌で濱口竜介監督が2010年代のベストテンに選出したようですが、どこか似たものを感じます。
sonozy

sonozy