MASH

グッドナイト・マミーのMASHのレビュー・感想・評価

グッドナイト・マミー(2014年製作の映画)
2.5
母の帰りを待つ双子の元に顔を包帯で巻いた女性がやって来た。母親と名乗るその女性は本当に母親なのか、双子は正体を暴くべく彼女を試していく。ヨーロッパのホラー映画らしく、露骨なホラー描写はかなり少なめで、心理的ホラーがメイン。

前半はかなり面白い。母親の双子に対する態度は明らかに冷たいが、観客はその前を見ていないため、本当に彼女の態度が変わったのかは分からない。しかし、明らかに様子はおかしい。「親が違う人と入れ替わってるかもしれない」という子供にとっての最大の恐怖がじわじわと伝わってくる。

だが、その双子も普通でないことは最初から明らかだ。一応ネタバレは避けるが、最初の方ですぐに双子の秘密は分かってしまう。だが分かっているからこそ、双子が正しいのかどうかが絶妙に怪しくなっている。正体を暴こうとする彼らは子供らしくありながら、どこか狂気的。こういう作品って真実が靄がかかるほど面白いというモノだ。

しかし、後半になるとただの胸糞作品になり変わってしまうのは残念。真実があまりに分かりやすすぎるというのもある。あと好みの問題だが、無垢な子供が残酷なことをするという展開はあまり魅力を感じない。子供という存在に対する理解を感じられないからだ。特にこの映画は前半はせっかく子供の目線で描いてきたのに、後半になると途端にその子供が悪魔そのものとなる。もちろん楽しくもないし、怖くもないし、さらに言えば同情もできない。正直ただのトーチャーポルノにしか過ぎない。

前半はサスペンスとしても心理ホラーとしても抜群に上手いが、後半は美少年がおばさんを拷問する映画になる。それがお好きならどうぞという感じだが、僕はお断りだ。前半でやめておけば良かったと思う作品。
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