2023.01.21 配信で視聴
終いを薄く引き伸ばして金をとる某国の連続ドラマを観たあとだったからか、２時間超の長尺なのに「長い」と感じなかった。
シーンやセリフに無駄なところがなく、クライマックスに向けてじりじりと緊張感を高める演出が見事。
観る前は、「トムハンクスがトムハンクスにしか見えないんじゃないか」と危惧したが、彼はどうやら監督・演出・脚本のレベル次第で自分の“トムハンクス臭”を消せる俳優のようだ。
キャスティングがまた巧くて、他の演者も役柄にぴったりハマっていた。特に、ＣＩＡに捕まったソヴィエトのスパイ役の人、マーク・ライランスって役者さんなんだね。思わずググっちゃったよ。
本作は〈実話〉を標榜してるけれども、“作品化された実話”は大抵がどこかに脚色が入っている。“実話を素材としてどう創るか”が、脚本や監督の腕の見せどころ。世界観・人間観も含めて楽しませていただきました。
【余談】
東ドイツ側で交渉人になった役者さん、どこかで見た顔だと思ったら、『善き人のためのソナタ』で国家保安省に監視される劇作家役をやった人だった（セバスチャン・コッホ）。この人もトムハンクスと同じくらい特徴的な顔立ちをしている（なにしろヒトの顔や名前を覚えられない私が覚えてたくらいだ）。もう少しいろいろな役どころで見たい役者さんだ。
