ひろゆき

1001グラム ハカリしれない愛のことのひろゆきのレビュー・感想・評価

3.5
銀幕短評(#569)

「1001グラム」(原題)
2014年、ノルウェー。1時間31分。

総合評価 70点。

この映画の見どころは編集(カットとカットのつなぎ)ですね。おんな主人公の顔色はすこしさえないけれど、ギャグはおおむね陳腐だけれど、カメラのアングルもぱっとしないけれど、スジ運びもだいたい読めるけれど、だから編集(カット)のくふうに注目したい。定石にそったカメラの映しを、うまくカットしてカットしてカットする。これを楽しめれば、まあモトをとったような映画ですよ。

ものごとの計測計量をするには、単位(モノサシ)が必要です。単純にふたつのモノを 甲だ乙だと比べるだけでは足りない。そういうときに単位を数字であらわして、客観視させるという工夫が必要となります。重さを量る、長さを測る、時間を計る、というのが基本形ですが、日本はメートル法を採用しているので、重さはキログラム、長さはメートル、時間を秒で はかります。原器はその単位の おおもととなるモノサシのモノサシ。パリにあるキログラム原器をもとに、それをコピーした国ごとのキログラム原器がある。ここではノルウェーの原器をめぐって はなしは進みます。まあ地味なしごとがあるものですね。あ、すいません。

中盤まで ひとびとの喜怒哀楽を、極力 抑制しながら はなしを進めますが、ラストに向けて静かにドラマを立ち上げるのは、なかなかうまい配球ですね。ひとの心情をはかるモノサシはまず見つからないし、あったとしても ひとによってちがう。そう いつも思います。でも じぶんのモノサシが、好きなひとのモノサシと、大きさだとか色だとか においなんかが似ていると すてきですよね。
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