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ライオット・クラブのnodriguezのレビュー・感想・評価

ライオット・クラブ(2014年製作の映画)
4.3
世界最古の名門オックスフォード大学に存在する、上流階級の会員制エリートクラブ「ライオット・クラブ」。伝統あるライオット・クラブに選ばれた生徒は将来を約束されたも同然であるため、代々、10人の会員たちは、その莫大な金と権力を自由自在に扱い、これでもかと言うくらい遊び耽ることが伝統とされていました。新入生のアリステアとマイルズも現役会員に認められクラブの一員になり、クラブの晩餐会に正式に招かれますが、その会でクラブ内に渦巻く欲望と暴力が牙を剥き出すのでした。
「美しく、気高く、腐った男たち」。
まさにキャッチフレーズに劣らないほどのクズ男たちが主人公ですが、ただのクズ男ではありません。頭脳明晰、且つ上流階級の出だからか揃いも揃って美形ばかり。そして、高貴な生まれに固執し、金で何でも解決できると思っている、ということで、過去最高に虫酸が走るほどの登場人物たちです(※誉め言葉です)。
平素は、自分たちが世界を回し、自分たちこそが庶民を支配していると鼻高々ですが、事件が起こったとき、その自信満々で美しい仮面が一気に剥がれ、欲望と保身、下劣で低俗な精神が現れます。登場人物たちのその転落&急変っぷりが本当に見事で、クズ共に怒りを感じる一方で、同時に彼らに観入ってしまいました。
若気の至りにしてはかなり過激ですが、「自分たちの今この瞬間が、世界で一番輝いている」というノリはどこの大学にもありそうだなと感じました。
ストーリー的にも、場を収束させるためにクズ男たちが取る方法もクズっぷりを遺憾なく発揮しており、悪者は全て成敗されるといった理想論で終わらせない部分も、なんとも嫌な後味を残すようで満足です。
あとは酒の恐ろしさ、というか、その場の熱気に呑まれ、危険な思想に煽動されているとも気付かずに、集団で暴力的な行為に走ることの恐ろしさを実感しました。
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