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龍三と七人の子分たちのjonajonaのレビュー・感想・評価

龍三と七人の子分たち(2015年製作の映画)
3.7
ナンセンスで馬鹿らしい
北野武コメディ映画。

昔は良かったなぁ畜生…と悪行を重ねた日々を回顧するヤクザオヤジたちが半グレ集団と抗争になり、ここぞとばかりに大暴れ…っしようとする話!!笑

アクションもあるんだけど、元ヤクザの老人たちが周囲の下の世代になじめず暴走していく様を面白おかしく描いてる。差別だの厳しい今、笑っていいのやら…いいんでしょうきっと!面白かった!

個々にキャラが立ってて、昔は本当に怖い人だっただけあって半グレを逆に恫喝するような展開も中々痛快。
今回の北野武は『パーフェクトワールド』でのイーストウッドのように、監督ながら主人公たちの暴走を見届ける刑事役という一歩引いた視点に立っている。なるほど本作はあの映画と違って、少年フィリップのような『受け継ぐ者』を持たないならず者の鎮魂歌のような雰囲気が漂ってる。自分の言葉の届く先を持たないオジイたちが(口悪い)これでもかとばかりに暴れるさまには、笑いもあれば同時に哀しみもある。けっこう好きです。

北野コメディを観たことがないのでTAKESHISを観てみたけど、あれはどっちかっていうと『3-4x10月』に近いね…クオリティはともかくとして。
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