まほ

スノーデンのまほのレビュー・感想・評価

スノーデン(2016年製作の映画)
3.5
彼は英雄か。犯罪者かー。

この問いに関してはどちらかが正解なのか
最後まで私には出せませんでした。
でも、この映画全体を通して
現在の世界に蔓延っている脅威やその裏側を
垣間見ることは出来るし、深く考えさせられる。

確かにエドワード・スノーデンが行ったことは
犯罪でもあり、米国政府にとっては脅威。
でも、国民にとっては?英雄なのでは?
米国のために戦うと決め、守り抜くと決めた。
しかし、実情はそんなものではなく
政府を守り抜くために米国をトップにするために
ただの国民や世界中の人々が
365日24時間監視し続けられている世界。
テロ対策やそんなものはただの表面上。
自分の大切な人が誰かに監視されていると知ったら
憤りを感じるだろうし、そんな現実を考えたくない。
でも、それが実際に起こってるのが現実であって。

彼が「現代のキャプテン・アメリカ」と呼ばれる理由も
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』に
この時事ネタをルッソ兄弟が入れ込んだ理由も
あの映画が過去最高傑作と言われる理由も
痛いほど伝わる。物凄く分かる。

そして、ジョゼフの演技も凄く良いです。
声や仕草や風貌を実際本人に似せて
演じている部分はとても圧巻。

最後の最後のシーンでご本人が。
あまりにもジョゼフが演じてたスノーデンが
似過ぎてて背景が変わらなかったら
絶対気づかないだろうなあというくらい。
最後のご本人がお話するシーン。
私はそのシーンに涙が止まらなかったし、
誰かが立ち上がれば、誰かが実行すれば
何か起こすことで世界が1つでも変わるということ。
とてもじゃないけど私にはそんな勇気もないし
そんな場面にも直面したことはない。
「僕は幸せだ。」そう言える彼は素晴らしいなあと。
まほ

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