ゆず

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたちのゆずのレビュー・感想・評価

3.4
奇妙な力というか特殊な体質の子供たちがたくさん出てくるダーク・ファンタジー。不気味なものを可愛く描く作風はティム・バートン監督作品の特徴だが、今回もグロとキュートが入り混じった独特の世界観。グロと言ってもなんとなく昔話の怖さというか、河童に尻子玉抜かれるとか、雷様に臍を取られるとかを映像化したらこんな感じなんだろうというグロテスクさ。スレンダーマンを彷彿とさせるモンスターも登場。チルドレンの能力では勝てそうにないところがとてもハラハラする。

ただ、個人的にはあまり盛り上がらなかった。子供たちがそれぞれの能力で終盤活躍するのだが、それは伏線というよりは既定路線だった印象。前半で矢継ぎ早に登場した時点で予想できること以上のことは見せてくれなかったので少し残念。みんなのチカラで解決した…というよりは、解決できるチカラを持つ子を登場させたように感じてしまった。各チルドレンの掘り下げもあまりないことが、終盤のために用意された感じを裏打ちしてしまってる。そしてどこか「悪い地主から孤児院を守るために戦ってる」感があり、命がけなのに遠足のような雰囲気もしないではない。まあそこは監督の持ち味だと思うし、ニコニコ爆弾鑑賞などはその持ち味が如実に現れたシーンだと思う。

結末もけっこう良いエピソードで締めるのだが、あっそれがメインだったんだ?という気もしないでもない。というか、こういう結末になるのなら、前半はたしかに長いわ。削れるところたくさんあったように思う。島の住民とか。
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