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ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人のslowのレビュー・感想・評価

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もしかしたら、物の見方というのは、対象によって変わってしまうものではないのかもしれず、そう考えると、ハーブのアーティストに対する姿勢と、ドロシーに対する愛の示し方は、同じもののようにも思えて来る。ハーブはドロシーをひとりのアーティストとして捉え、その内面をアートのように観ていたのでは、ということ。それはドロシーにも言えることかもしれない。人を物と一緒にするというのは、取りようによっては失礼な話だけれど、ハーブとドロシーの場合は、それに表れるお互いの趣向や、それが人生で占める割合だとか、アートを見定め受け入れる器量みたいなものも含め、惹かれ合ったのかなと思う。でも正直、紹介される作品の良さが、わたしにはよくわからなかったな。芸術って偏見だ。でも、それが愛だというならば、少しわかる気もする。あのふたつのまなざしが忘れ難く、なぜか懐かしいとさえ感じてしまうのは、わたしもその幸福を知っていたからだと思う。
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