岩嵜修平

ジャスティス・リーグの岩嵜修平のレビュー・感想・評価

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)
3.7
ジャスティス・リーグ (2D字幕版) 【極爆】

ザック・スナイダーの呪いが解けたDC実写化最高傑作!

これで良いんだよ!こういうのが観たかったんだよ!

ノーラン(ダークナイトシリーズ)の影響からか、どうにもザックの自己顕示欲が悪い方向に出まくってたのが、今までのDCエクステンデッドユニバース(言いにくいわ!)だったんだけど、本作は、恥を忍んで(ザックの身に起きた悲劇もあって)、敵方(マーベル)のジョス・ウェドンというヒーロー群像劇の職人を招いて、見事に丸く収めてくださった。
(ザック案で作った3時間のフィルムがあるという噂もあるけど、観たいような観たくないような)

そりゃあ、歪なところはところどころに有りますよ。あのキャラの登場シーンはもう少しどうにかならなかったのかとか、敵方のモチベーションがよく分からないとか、チーム感が弱いとか、いつも通りのDCならマイナス面が積もりに積もって、観てらんねぇわ!って目を閉じちゃってたかもしれない。

でも、今回はそういうのが全部、許せちゃうくらいキャラが魅力的でアクションシーンが楽しかったです。

そこら辺、多分すべて、ジョスさんの手腕なんですよね。

特に今回の新キャラのフラッシュの可愛さよ!

マーベルで言うと、新スパイディみたいな感じですかね。
なんか動ける距離とか人を救う時に役立つ感じとかも重なる。

もう1人の新キャラであるサイボーグはカースト最上位に居た奴なんでいけ好かない感じが拭えないんですが、多動症気味で友達が居ないと公言する彼は存分に推せる。

逆に言えば、もう1人の新キャラであるアクアマンの背景に迫るシーン少なすぎじゃねとも思うんですが、そこら辺はこれから公開が控える次回作以降でちゃんと描かれるんですかね。
(ジャスティス・リーグが赤字と聞いて、そこら辺の公開も不安だけど)

ザック印のダークな面も残っちゃいましたが、逆に言えば、それを抜いたらマーベルの更なるキャラ追加にしかならない(それも良いような気はしてる)ので、現状のキャラ設定自体は残しつつ、ザックの息がかかってない新鋭監督を抜擢して展開していくのが吉な気がします。
(そして、ザック自身には300シリーズとかエンジェルウォーズとかウォッチメンとか外連味が活きる作品をやらせてあげれば、みんなハッピーじゃないか!)

ストーリー自体には、マーベルみたいな実在の現状に対する社会批評性みたいなのは感じられなくて、単に完全なる悪に対して、一匹狼だったヒーローたちがチームを組んで倒しにいくと。

ここら辺、ザックはDCシリーズを通じて「神」について描きたいらしいですが、ワンダーウーマンやアクアマンはまだしろ、フラッシュやサイボーグなど色んな要素を加えすぎてるんで、諦めた方が良いんじゃないかなぁ。

むしろ、目指すべきはノーラン ダークナイト路線にアベンジャーズエンタメ性を掛け算したもの。

つまりは、徹底的に実写にこだわり肉体性に重きを置いたアクションを見せつつ、悪役(ジョーカーばりに)を魅力的に描くべくストーリーをしっかり作り、ヒーローのキャラの魅力で飽きさせない。

それが出来れば、DCが残る意味がちゃんと出てくるんじゃなかろうか。

あ、極爆は正解ですよ!
アクションシーンが楽しい!



(以下、軽くネタバレ)

しかし、スーパーマン俳優が撮り直しの煽りを受けて、もう1つ撮影中の映画で髭面を治せないが故に、髭面のまま演じたのをCGで加工したって話は凄かったなぁ。
元々、機械っぽい顔つきだもんで、不自然さがデフォルトだから気づかなかった。
岩嵜修平

岩嵜修平