古くからAIはたくさんの映画のテーマとして扱われてきた。ほぼ全てがその恐ろしさと、コントローラブルではないものでその先には破滅しかないという趣旨で、思えば自然を不可逆的に破壊する方がより怖いと思うけど、この人工知能は映画界では悪の枢軸だったのだ。高度な人工的に作り出された知能はいつしか人の手を超える。
人の手では事故が減らないので、愚かな人間を助けてくれる自動運転やその運転支援技術これはいい。ただ完全に自動になるのは多分人間は恐れを抱くんだろう。
便利を望みながら究極の便利には、受け入れられないほどのリスクがあると信じてやまない人間たち。笑
前置きが長くなった。
この映画は設定のせいもあるけど、人工知能の輝かしい未来についての描写はない。そして最後に痛ましいことになるのだけど、作り出したものを破壊する、自分を破壊されることが受け入れ難いことというのは、すでにロボットの概念を超えていると思った。よくできているのでロボットなのか人間なのか、もはや人間にとってその固有の行動はなんの意味があるのかなどにも思いが及ぶ。なかなか示唆的な作品で私は好きでした。
