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神々のたそがれの夜のレビュー・感想・評価

神々のたそがれ(2013年製作の映画)
4.1
ストルガツキー兄弟のSF小説「神様はつらい」原作、製作に13年もの歳月をかけたアレクセイ・ゲルマンの最後の作品。
地球から800年も遅れた惑星に「観察者」として調査員が派遣される。惑星では権力者によって知識人は処刑され書物は燃やされ、悲惨の限りを尽くす有り様であった。
欺瞞や暴力、支離滅裂な人間模様は観客もまた「観察者」として居ることがとても辛くなる。カメラ目線の多様によって訴えかけられる声には思わず目を背けたくなってしまう。何も出来ず、何かをしても変えることの出来ない無力さの中で存在し続ける神々よ。泥や酒、糞尿の中でも咲く薔薇は美しく、ある種の希望だと思いたい。
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