ロビンソン

神々のたそがれのロビンソンのレビュー・感想・評価

神々のたそがれ(2013年製作の映画)
4.0
こんなに観てて疲れる映画も珍しい。疲れた(._.)

ロシアの巨匠アレクセイ・ゲルマン監督の遺作として15年もの歳月をかけて作られた、21世紀最高傑作とも呼ばれる作品

地球から800年ほど遅れて、ルネサンス期を迎えようとしたある惑星
地球から30人の学者がこの惑星を訪れ調査を行う
だがこの惑星では知識人は処刑され、ルネサンスとは程遠い世界が広がっていた

この映画すごい汚い
言葉では伝わりきらないと思います
泥だらけで、糞尿とか血とか、とにかく汚い!
そういうところもすごいけど、画面のなかが常に動いているというのも疲れる要因じゃないかな~と思います。

難解映画なので、こういう映画って結局なにが言いたいの?で終わってしまう私ですが、今回は自分なりに解釈ができたので成長したのかな笑

文化人が排除され、野蛮で暴力的な人たちが溢れてしまってる世界。
主人公はこの惑星で神のように扱われている。でも、崇められているわけではなくて同じように生きてる。
簡単に言うと神さま目線の映画

架空の惑星で描かれた世界は、大昔に地球でもあったことかもしれない。
どれだけ神が守ろうとしても、力を与えようとしても、暴力的で野蛮なその他大勢から救うことはできない。
結局、世の中を動かしているのは神ではなくて人間。同じ過ちを何度も何度も繰り返し続ける。
たとえ何年経っても、何十年経っても、何百年経っても、人間は成長しないし理解できない。

救うことに疲れはてた神は、ただ傍観し続けるしかなくなってしまう。
原題は「神様はつらい」みたいなので、そのままの意味だと思います

でもこの解釈が正しいとは思ってないので、どんな解釈が正解なんでしょうか。もうわかりません笑

監督自身の映画人生とか、ロシアの時代背景とかも関わってるみたいだけどそこまではわからなかったです。
でもまたすぐに観ようとは思えない!笑

3時間近くあるし、白黒だし、完全に観る人を選ぶ映画だし、不快に感じることは間違いないです。
でもこの映画に注がれた情熱やエネルギーは驚くほど伝わります。
ただ汚くてごちゃごちゃしてるけど、それは計算されているもの。ここまでの映像は正直観たことないです。

汚いシーンだらけだけど、ふくろうが主人公の肩にとまったシーンはかっこよかった笑