グレン・フィカーラ＆ジョン・レクア監督作。
天才詐欺師ニッキーが仕掛ける一世一代の大勝負を、半人前の女詐欺師ジェスとの関係を交えながら描くクライムドラマ。
ニッキーが見せるスリの手口が鮮やかでスマート。
ターゲットの視線を逸らし、素早く金品を盗んでいく。
仲間との連携も完璧で、流れ作業のようにターゲットから奪った金品が仲間の手から手へと渡っていくのだ。
スリだけでなく、ターゲットの潜在意識への入念な刷り込み過程も描かれいて面白い。
ただ、詐欺の手口にはご都合主義的な部分が多く、思い通りに事が運び過ぎのように感じてしまう。
詐欺の過程だけをそれぞれ切り取って見てみるとそれなりに楽しめるが、物語自体は面白味に欠ける。
それに詐欺師映画だと分かっていて鑑賞すると、どうしてもどんでん返しや意外な展開を期待しながら観てしまうので、劇中明らかになる真実で受ける衝撃度も半減してしまい案外呆気なく終わってしまった。
せっかくのウィル・スミスもその存在を十分に活かし切れていない。
天才詐欺師という設定なので基本的にクールでプロフェッショナルな雰囲気を醸し出しているが、そこまで“天才”という印象を受けないし、表情も乏しくただのつまらない男に見える。
ヒロインのマーゴット・ロビーの方がセクシーさにクセ者感がプラスされていて魅力的だ。
ストーリー 4
演出 3
音楽 3
印象 3
独創性 3
関心度 4
総合 3.3
