Il

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーのIlのレビュー・感想・評価

4.3
上映時間150分とは、直近の作品でいうとスターウォーズ最後のジェダイ、それからブレードランナー2049が同じくらいでした。元から大衆映画とは程遠い方向性や狙いで作られたブレードランナー2049はともかく、最後のジェダイではキャラクター個人の描写が突き抜け切れなかったのが心残りとしてあるのですが、アベンジャーズインフィニティウォーはある1人のキャラクターを軸にそれぞれのキャラクターをほぼ満遍なく描き切った上映時間以上に濃密な映画となっている。

今作のメガホンをとったルッソ兄弟の力量はキャプテンアメリカシリーズのウィンターソルジャー、そしてシビルウォーでのアクション描写と多種多様な良さを持つキャラクターを見事、自然に取り込んでいた事で証明済みであったが、今作でまた多くの高いハードルがありながらも、予想と期待のさらに上をいく出来に仕上げたのはホントに見事。おそらく現存の映画監督の中でもトップを争うイケイケ具合です。

公式直々のネタバレ流出勧告である#ThanosDemandsYourSilenceにより内容までには踏み込まないようにするが、まず驚くべき事は2時間半あるのに中弛みする場所がほぼないに等しいこと。どのシークエンスでも戦闘、緊張感、エモーショナルな要素が存在しておりジェットコースタームービーを通り越してる何かになっている。

そして、何より今作のヴィラン、サノスについて触れないわけにはいかない。2012年のアベンジャーズのポストクレジットシーンで姿を現して以来、およそ6年間マーベルシネマティックユニバースの闇において暗躍していた彼がとうとうスクリーンにおいてアベンジャーズ相手に大立ち回りを展開。正直イキってるてレベルではない彼の多様かつ恐ろしい姿に物語導入からノンストップで支配されていきます。
監督のルッソ兄弟は公開前、サノスをダースヴェイダー級の悪役として登場させると話していましたが、今作を経てサノスというキャラクターは観た人の心にずっと刻まれていくでしょう。
Il

Il