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心と体とのIlのレビュー・感想・評価

心と体と(2017年製作の映画)
4.4
三大映画祭の一つにも数えられるベルリン映画祭で最高賞にあたる金熊賞を受賞した本作。が、当時、審査委員を束ねる審査委員長を務めたのがあの鬼才ポール・バーホーヴェンと聞くと、この作品もただものでもないのてまはないかという思いが渦巻いた。

さて、実際に鑑賞すると、まぁなんとも綺麗な物語が待ち受けていたのである。が、ただ綺麗なだけではない。時折挿入される一切の隠しなしの食肉工場での解体作業の映像や素朴かつストレートに描写するリストカット。思えばこの常に感じる素朴さと夢の中の鹿2匹の幻想的な空間から描く主要人物2人の人格と心情の行き渡りの丁寧さがこの作品良さであり、バーホーヴェン(特にクライマックスが性行為のシーンだとかはそれを一種の感情表現と肯定する彼好みではないか)を始めとした当時のベルリン映画祭審査委員団がカウリスマキの希望のかなたを抑えて惚れ込んだ部分なのかなと。また家でのんびりじっくり見てみたい作品である。
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