映画好きのCarlっていう人

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカの映画好きのCarlっていう人のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

まず感想。
他におれの知らない最高という意味の言葉があるならそれも当てはまるだろう。プロットが望んでた方向に行ってくれて嬉しい!この映画はどこまで行ってもアベンジャーズでどこまで行ってもシビルウォーなんだな…
今回のヒーローは全員各々の力を最大限に引き出していた!でしゃばり過ぎずキャラもぶれずに役割を果たし、marvelの十八番であるユーモアも忘れないというこれ以上ない出来だったぜ!!!もちろん戦闘シーンも大大大満足!スパイダーマンとブラックパンサーの2人は百点満点です。
正直に言います。ニュースパイダーマン、全然期待してなかったです。アメコミファンを釣ってるようなコスチュームだしトムホランドは若すぎると思ってた。はいごめんなさいくっそハマりました。どんなに文句つけようとしても小さすぎてスパイダーマンのシーンだけで採算合うっつかお釣りくる。
今回はウィンターソルジャーの続編でありウルトロンの続編であり、スパイダーマンの前章でありブラックパンサーの前章でもあり、自作アベンジャーズの序章である。完璧に付いて来てないと完璧に楽しめないだろうなあ
キャップもスパイダーマンも盾と糸って武器はシンプルなのに応用して使ってくるから頭いい。なんでこうも毎回新しいアクションを思いつくんだ天才かよ

ここからは軽い考察。
途中からバッキー絡みの私情で戦ってると思われがちだが、やはり根底にあるのは協定に同意するかどうか意見の違い。何故ならトニーもキャップも自分達の正義を貫こうとしてるだけなのだから。協定に関しての意見相違だけならまだ対立まではしていなかった。賛成しない者はアベンジャーズを降りるだけ。しかしここでバッキー事件が起こり、状況は加速する。というかここで言う”
”Civil War”は協定をめぐる争いではなくて”お互いの考える正義の在り方の違い”である。つまりなぜ協定が賛否両論に分かれたのか、そこの考え方の相違。
トニーは少しでも遺族を安心させられる統率の取れたチームを目指しサインする。一刻も早い絶対的な平和を求めるキャップはチームの権力は一つに偏るのは危険だと考え、サインを拒否する。
事件後、チームトニーは犯人であるバッキーを捕まえるために、彼を匿うチームキャップと戦わなければならない。それが”上”の判断である。一方チームキャップは真犯人を追いたいが、チームトニーが邪魔をしに来る。決定権は上層部にあるので彼らに話しをしたところ無駄である+時間がない+アベンジャーズ存続をも危うくするので戦わざるを得ない。どちらも彼ら自身の正義を追い求めた結果の対立である。
ちなみにメンバーはみんなそれぞれの動機を持ってこの戦いに参加している。スパイダーマン、パンサー、アントマンなどはただのソルジャー。実際の戦争でも兵隊一人一人が首謀者と同じ考えではないだろう。何人かはこちら側が正しい、とだけ教わったのかもしれない。
そしてジーモはヒーローの弱点「私情」である復讐を巧みに操り見事にアベンジャーズを対立させた正真正銘のヴィラン。この”実際に強敵が現れて最終的に共闘”じゃないのがツボ!敵はたった一人のただの人間なのにうまくしてやられたのがツボ!!しかも動機がしっかりあってそれもヒーロー物なら無視されがちなものを躊躇なく触れてくる感じがツボ!!!

まとめると、協定の段階で意見の相違が生まれ、バッキー事件後に対立が始まる。ここまではジーモのトリックも少し含むがヴィジョンが言う通り遅かれ早かれ起こっていたであろう抗争。しかしジーモの狙いは最初からアベンジャーズの殺し合い。一番醜い復讐心を利用して見事彼らを戦わせた。私情で仲間内で戦い始め”ヒーロー”から引きずり降ろされた挙句完全にアベンジャーズは崩壊した。アベンジャーズxジーモの戦いはジーモの勝利と言っていいだろう。
キャップxトニーの意見相違による戦いでは、アベンジャーズは分裂しどちらも幸せではないところを見ると勝者はいない気がするが、強いて言えば、結果的にキャップ達が身を隠さなければならなくなったとはいえ、中盤の戦闘シーンのように”多少の犠牲を出してでも決定的に悪を追う”キャップの勝利ではないだろうか。しかも上層部の下についたからといって犠牲者(ローディ)がいなくなるわけでもなく、結局はその上層部も間違った判断をしていた。

派手なアクション、多彩なヒーロー達、ユーモア溢れる単純明解なストーリーだと思われがちだが、実は考え抜かれたMARVELきっての傑作!!!!