Eryyy678

キャプテン・マーベルのEryyy678のレビュー・感想・評価

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)
4.5
気持ちいいの一言に尽きる。そういう映画でした。

クリー帝国の戦士として、宿敵″スクラル〟打倒のために戦う主人公、キャロル。部分的な記憶を失っている彼女は、その任務の中で、自身の″能力〟や″過去〟についての秘密や、その裏に隠された陰謀に迫っていく。

アクション映画での女性の活躍が目覚ましい昨今、いわゆる「男性よりも強い女性ヒーロー」というものは、大きなカタルシスや爽快感を得られるジャンルとなった。この映画も例に漏れずに、そういう「ジャンル」だと思っていた。しかし、観終わって思ったことは、男性よりも強い「女性ヒーロー」という認識自体が、そもそも意味のない概念だということ。

この作品のストーリーで重要なのは、男性の中で戦う「女性ヒーロー」ではなく、彼女自身が「ヒーロー」であったということだと思います。自分の信念と、強い意志のもとに戦うヒーロー。「女の子でもヒーローになれる」とかじゃなくて、そこには男性も女性も関係ないんです。だからこそ、「自分」という確かなアイデンティティを持っている″キャプテン・マーベル〟の戦いは、とても気持ちいいものでした。

そしてニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)も登場。クールなキャロルと、ユーモラスなフューリーとの掛け合いも面白く、映画のテンポを崩さない。

アクション、ストーリーともに満足できましたが、映画製作者の故スタン・リー氏への愛情や敬意が感じられる。そして彼の姿を見るたびに、いつまでも存在し続けてくれるんじゃないかと、そんな暖かい気持ちになるのです。
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