三樹夫

キャプテン・マーベルの三樹夫のレビュー・感想・評価

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)
3.7
マーベルシリーズは一連の作品群のヒーローたちは実際にはいないので、単なる絵空事として終わらせないために現実にある要素を盛り込み、現実との接点を持たせてきた。アイアンマンが武器商人として暗に批判され度々戦犯的な扱いになるのもそのためだし、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では多数を救うための犠牲は許されるかという問いを投げかけている。この手法は怪獣映画でも使われていて、残念ながら怪獣は現実にはいないので、現実にある要素をメタファー的に怪獣に盛り込み現実との接点を持たせている。
今作では主人公が女性ということで、女性が受ける性差別が描かれている。主人公が経験してきた、女は向いてないからレーサーやパイロットになれないというのや、女は感情的だからなというのがそうである。説教を隠れ蓑にただ感情をぶつけるだけの野郎や、スーパーなどで相手が歯向かってこないのをいいことに怒鳴り散らしている感情的で非論理的な野郎とか現実に結構いるけどね。キャプテン・マーベルは、女は感情的とかほざく野郎は無言でぶっ飛ばしていた。

95年が舞台ということで、90年代回帰作品の様相を呈していて、主人公がグランジファッションだったり、音楽もグランジやオルタナティヴ・ロックがかかる。グランジファッションは、重ね着、ネルシャツ、ダメージジーンズというイメージだが、ネルシャツの腰巻が一番グランジ感が高まる。日本では95年ごろはカクレンジャーがグランジファッションだった。
キャプテン・マーベルが最終的に超サイヤ人みたいになるんだけど、発光体が動き回って敵が吹っ飛ぶという感じで、最初らへんの殴り合いアクションに比べると単調に思えた。 後、猫はかわいい。
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