九月

アベンジャーズ/エンドゲームの九月のレビュー・感想・評価

5.0
サノスの居場所を突き止め、奴の息の根を止めても、すでに6つのインフィニティ・ストーンは消滅しており、失われた命は返ってはこない。
なす術がないままさらに5年が経ち、いきなり絶望的な気持ちになってしまった。
その歳月で、また前を向いて生きていこうとする人もいれば、そうではない人もいたり、犯罪に手を染める人や、酒に溺れる人もいたりする。もう一度アベンジャーズが力を合わせるのは不可能なのか…アベンジャーズの戦いが終わるということが分かっているのにも関わらず、そう思わされた。

そして、その間量子世界を彷徨っていたアントマンが救世主の様な形で登場。自分のことを覚えているかどうか分からないスティーブやナターシャに自己紹介しながら現れるスコットのおかげでやっと気持ちが和らいだ。ここからの展開は、ワクワクしっぱなしだった。
でも、いざ実践してみると計画通りにはいかず、それでも、窮地を脱し自らの手でインフィニティ・ストーンを集めるという目的を果たすヒーローたちが頼もしくて、本当にかっこよかった。
トニーとソーが、それぞれ父親、母親と話せたシーンは、また自分たちの世界で生きていくために前向きに進んでいけるのではないかと、嬉しくなった。
ただ、ソウル・ストーンの回収に向かったバートンとナターシャがあの幻想的な星に到着したところで、そういえば、ソウル・ストーンの代償って…と気付いてからは、悲しくて仕方がなかった。どちらの結末になっても辛かっただろうなぁ。

全てのインフィニティ・ストーンを揃えて、消え去った者たちを呼び戻したところで再びサノスが今度はより残酷な野望を持って現れ、ここまでたくさんの展開を楽しませてくれるなんて…と感動。しつつも、サノスの復活には複雑な気持ちに。
アベンジャーズに、これまで登場したそれぞれのメンバーの仲間たちが加勢、この全面戦争が圧巻だった。(目が足りない!)
唯一、あれ?となったのがムジョルニアを操るキャプテン・アメリカ。でもこれはとっくの昔に伏線が張られていたなんて…あの頃の自分は全く気が付かなかった。
また、アベンジャーズの一作目から見返そうと思う。

以前聞いた時は、そんなこと言わなくてもいいのに、と思っていた「I am Iron Man.」という台詞に心を打たれて以降、あっという間に終わってしまった気がする。
アイアンマン、やっぱりかっこいいなぁ。愛する娘に言った「3000回愛してる」という言葉も大好き。今後の分まで含まれていたのかなぁなんて思うと、寂しくなりつつも、トニーがいなくなっても大丈夫、という気がしてくる。

アベンジャーズのゴール"アベンジャーズを解散させること"にたどり着き、全ての作品の集大成として、究極の終わり方だった。
今さらながらここまで追えて感激しつつも、トニーとナターシャがあのような最後を迎えるとは全く思っていなかったので、今もなお喪失感に襲われている。(すぐにでもドラマを見ようと思っていたのに、なかなか気持ちが切り替えられず。ヴィジョンとロキの結末もあまりにも寂しくて、ドラマで一体何が展開されているというのか…?とやや投げやりな気持ちになってしまうけれど、また姿が見られることを楽しみに、ぼちぼち見始めよう。)

十数年分のMCUを一気に見たこと、贅沢で、ちょっともったいない気持ちにもなったけれど、今後は劇場で観られると思うと楽しみで仕方ない。
今は本当に、ありがとうアベンジャーズ、という気持ち。
九月

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