よーすけカサブランカス

殺されたミンジュのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

殺されたミンジュ(2014年製作の映画)
2.9
女子高生殺害の実行犯を捕えて、「生活のために指示に従っただけ」というその主体性のなさを糾弾するのだが、その糾弾する側も相手に喋らせるために行なう軍やヤクザなどのコスプレがだんだん快感になってきて、連合赤軍的な状態、ミイラ取りがミイラに状態となる。首謀者をとうとう捕えるも殺害の動機は分からず。この無意味性も社会に対しての糾弾だろう。だが結局自分一人の正義感だけでは世界は変わらず、ドジョウのなかのライギョに過ぎない(この例えは面白いと思う)、システムの自浄作用にすぎない、と分かる、という感じなのだが、見せ方がもうちょいどうにかならなかったんだろうかという気がする。リーダーの彼が娘の父であるという設定も、結局私的な復讐にすぎなかったという感が否めなくなってきて、メッセージ性にブレが生じるような。一人八役という手法も、考えてみればそれっぽい理由は浮かぶのだが、観る分には結構ノイズになってしまうのではないか。