ぶみ

スポットライト 世紀のスクープのぶみのレビュー・感想・評価

4.0
トム・マッカーシー監督、マーク・ラファロ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス等の共演による実話をベースとしたドラマ。
アメリカ東部の新聞「ボストン・グローブ」が、多くの神父により行われていた性的虐待を、カトリック教会が組織ぐるみで隠蔽していたというスキャンダルをスクープ、その内幕を描く。
グローブ紙の取材チーム「スポットライト」の記者を冒頭の三人等が演じており、彼らが取材にあたる姿を中心として物語は展開していくが、記者としての信念を貫き行動するその様は、まさに記者魂を感じさせてくれるものであり、仕事とはこうあるべきという矜持を突きつけられる。
登場人物は少なくないものの、決して難しい物語ではなく、取材が進むにつれ全貌が見えてくる展開はサスペンスフルであり、ついつい見入ってしまうし、その末にある新聞の印刷シーンは一気に視界が開けたかのようなカタルシスをもたらしてくれるもの。
信仰の名のもとに隠蔽されてきた事実と、その規模の大きさに驚愕するとともに、それを明るみにした記者達の気概に心震え、重厚感迸る良作。

「祈り」でなく「餌食」
ぶみ

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