銀幕短評(#403)
「ビリー・エリオット ザ・ミュージカル」
2014年、イギリス。 3時間 9分。
総合評価 75点。
映画「ビリー・エリオット」(#400、72点)の舞台版、ロングランのロンドン公演。評価は ほぼおなじです。
映画版を観て いかにももどかしかったのは、ビリーの踊りのパンチの弱さでした。え、こんなので王立バレエ校に行けるの? と。ミュージカル版は、この点をおぎない、胸のすくダンスを トコトン見せつけてくれました。かわいらしい少年が、踊りだすとトタンに青年のように躍動する。とりわけ イスをうつくしく回すシーン、ここが舞台のいちばんの山場だと思います。
演出を少しずつ映画と変えているのですが、それが吉と出たところとそうではないところがある。これはもちろん仕方のないことですが、歌を唄わせる場面をとらざるを得ないために、冗長になるところもありました。なにかを取れば なにかを失なう。これは世のつねですね。
“個性“ をあらわす英語は、personality だとばかり思っていましたが、かれらは 聞き慣れない individuality を使っていました。たぶん米語と英語のちがいなのでしょうが、ニュアンスとしては後者が好きです。+3点。