このレビューはネタバレを含みます
ポスタービジュアルのグラデーション、忘れられないほどきれい。二日間だけ。二日間でも。二日間だからこそ。
観て、この映画のことを思い出せば思い出すほど愛おしくなる。
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自分にとって好きな映画の好きな部分って、共通するもの。
暖かい飲み物でコップを満たして、手渡す。『ひかりの歌』にも。ビルと夜景から、ぼーっと誰かのことを思う。『あなたの名前を呼べたなら』より。ひとつの自転車に、照れながらも乗るふたり。『シシリアン・ゴースト・ストーリー』を思い出す。
こう見ると、映画の中にいる二人はとても普通(ここがすごい!)。きっと自分やみんなとも、そんなに変わらないんだろうと思うよ。さよならしたら、自分から見えなくなるくらい小さくなるまで、離れていく相手のことを見ている。
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でも、電車の中でふと聞こえる言葉だとか、同僚のさりげない一言が妙に心に突き刺さってしまったとか、それぞれが抱える寂しさや孤独も映画の中に影を落としている。
だから彼らは話して、寂しい思いもして、相手の言葉を聞きたいと思って、話して、自分のことも知って欲しくて、話して……。
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二つ並んだコーヒーカップ。
どうしても相手に伝えたいことがある。知っていてほしいことがある。