ら

WEEKEND ウィークエンドのらのレビュー・感想・評価

WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)
4.1
さすがの映像美!『さざなみ』も『荒野にて』も舞台は田舎だったので、もう少しだけ都会的な地方都市の街並みが堪能できて嬉しい。

異性愛では当たり前に描かれてきた普遍的な恋の悲喜が描かれると同時に、同性愛固有のイシューが繊細に散りばめられ、二人の愛に対する考え方の違いによる衝突と理解が会話の中心になっている。

ラストの駅のシーンからエンドロールに至るまでがあまりにも素晴らしく、美しくて震えた。画面外から投げかけられる罵倒とそれに対するトム・カレン(ラッセル)のさりげない反応を覗き見してとらえたようなショット。それをなだめるグレン。走り去る電車。録音を再生するラッセル。「WEEKEND」のタイトルクレジットと引きの構図。エンドロールに流れるジョン・グラントの曲!このシークエンスに完全にやられた。

会話や遊びやクラブのシーンが多いこと、ナチュラルな演技、照明・光の色味、時折ぶった切られて一気にジャンプするような編集、カメラアングルや構図などから『きみの鳥はうたえる』を少し思い出した。

2010年代以降のLGBTQ映画のトレンドを作ったと言われているが、原点にして頂点かもしれない。
ら