ロサンゼルスで突如発生した人体発火事件。
その謎を追う三流ジャーナリストのキムは事件現場の近くの古本屋の女主人に取材を試みるものの、謎の書籍を手渡され、謎めいた食品を食べさせられてしまう。
その日から彼女の周りでは謎の巨大生物がうごめきだす…。
『ZOMBIO/死霊のしたたり』のブライアン・ユズナ監督が手掛けた戦慄のクリーチャーパニックホラー。
人体自然発火事件を調べていたらひどい目に遭う話。
この映画、まるでエンパイア・ピクチャーズの『死霊のしたたり』に関係しているかの様な邦題ですが、続編でもなんでもありません。
監督が一緒なだけ。
しかし原題を見てわかる通り、実はこの作品『悪魔のサンタクロース』シリーズの4作目なんです。
とはいえ3作目までと内容が一新しており、シリーズの共通点はクリスマス・イブという事と、リッキーという名前の登場人物が出ることくらい。
サンタなんて一瞬しか出ないので、邦題が出鱈目になるのも無理ない事だったのかもしれません。
ある意味、「もう飽きたから違うことやっちゃおうぜ」と言わんばかりのやりきりっぷりが魅力的かと。
3作目まではシリアルキラー、サイコ・キラーのスプラッター・ホラー色が強かったが、本作はオカルト、ゲテモノ色が濃厚。
とりあえず巨大ゴキブリが現れる不快感は強烈。
誰もが夏の夜に体験している恐怖の超拡大版です。
精神的な不気味、怖さはあるものの、キモい映像の方が印象に残る。
幽霊や殺人鬼といったものとは違う生理的な気持ち悪さを観客に抱かせている点で本作は成功しているといえるのでは。
物語そのものは魔女もの。
だがカルト教の目的がいま一つ曖昧で、作品中の説明と実際の活動がリンクしないまま物語が進んでいってしまうので、その描写に説得力がなく、物語にのめりこむには至らない。
シーンも、えっ?なんでここでそういう行動なの?っていうのばっかりです。
ラストも、これで終わり?という様な感じ。
とりあえずゴキブリが大好きで大好きでしょうがない人にはオススメの作品です。
ちなみに主人公の見るテレビでかかってる映画が、前作『ヘルブレイン』(悪魔のサンタクロース3)なのが可笑しかった。