退屈で残酷で美しい映画。前半の家事は退屈、日常でありふれたものは退屈。後半は私にとって失われつつあるものだから涙が出た。家族のぬくもりや、人との温かみのある繋がりや、そもそもそれを感じることのできる人そのものも、いつかはいなくなる。郵便や写真や人と会うということ話すということ、距離や時間がかかり手間で面倒くさいものが、誰も気が付かないところでひそひそと消えていく、そして二度と戻らない。絶滅するまでにそれに気が付く人が一体どれだけいるんだろう。モノトーンで全編ひそひそと喋る登場人物たち、映画館が異質な空間になり楽しかった。また観たい。