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合衆国最後の日のGijoeGoのレビュー・感想・評価

合衆国最後の日(1977年製作の映画)
3.7
渋くて骨太の社会派サスペンス。

オッサンだらけで画面の圧が凄い。
ストーリーはシンプルで核ミサイルのサイロを乗っ取った元ベトナム帰還兵が世界に真実を公表せよと米政府を脅迫するというモノ。
その中で繰り広げられる群像劇。

登場人物のパーソナルな部分はほとんど掘り下げずそれぞれが役割を演じてるイメージ。
それ自体がアメリカ政府を具現化したと言える。
なので誰に責任が行くのか無言の圧によって導き出される恐ろしさ。
結局どのセクションにも代わりがいて社会は続いてゆくという冷酷な現実。

カットを切り変えず画面分割にする手法で緊張感を出す手法や核ミサイル発射の特撮など会話劇に終始させず映像に抑揚を生み出す見事な演出。

当時の最先端の監視カメラを導入したり舞台を公開時より近未来にしたりメッセージ的な意味合いを持つ本作。

重厚な演技合戦の果ての呆気ないラストに衝撃を覚えた。

現アメリカ大統領や次期大統領でこのシチュエーションを当てはめてみると面白いかも。
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