TAK44マグナム

スター・トレック BEYONDのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

スター・トレック BEYOND(2016年製作の映画)
3.8
エンタープライズ号が〜〜っ!


JJエイブラムスによる製作体制になってからのシリーズ3作目。

監督に「ワイルドスピード」シリーズをドッカンドッカンアクションにして大ヒットに導いたジャスティン・リンを迎え、キャスト陣はキャプテン・カーク役のクリス・ パインをはじめ安定感あるメンバーがみんな続投しています。
スコッティ役のみんな大好きサイモン・ペッグが脚本も書いてますよ。

チェコフ役のアントン・イェルチンが不慮の事故により亡くなり、シリーズ最後の出演となってしまった為、やはり彼の出演シーンでは胸が痛みますね。
本作は、レナード・ニモイ及びアントン・イェルチンに捧げられております。


深宇宙の長期探査任務に出ているエンタープライズ号は、補給のために人工惑星ヨークタウンの基地へと寄港した。
そこで、ある惑星に不時着した宇宙船の救助する命を受け、カークはエンタープライズ号を向かわせるが、そこには謎の敵が待ち構えていた。
圧倒的な攻撃の前になすすべもないカーク達。
敵の正体と目的とは何か?
バラバラに散って逃走することとなったクルー達は、再び合流することが出来るのであろうか?


ストーリー自体はありきたりで、いまいち捻りが足りません。
敵であるクラールが何故、惑星連合を憎むのか?
謎の多い惑星にあるはずのないモノが存在し、それがカーク達の逆転の鍵を握るわけですが、これらの謎かけ自体は軍人魂を絡めたジャミラみたいな話でSFでは特に珍しいものではありませんし、SFに限定しなくとも戦争ものやテロリズムもの、スパイもので散見される類ですね。

散り散りになったクルー達には、それぞれ見せ場が用意されていて、頼もしい女戦士も登場、アクションにハードさだけでなくユーモアも交えた「シリアス過ぎず、バカ過ぎない」絶体絶命からの逆転劇は、バランスが巧くとれていて楽しい活劇となっております。
何にしてもキャラクターの立ち具合がすこぶる良くて、元々が歴史の深いシリーズならではの強みと言えるでしょう。

映像はとことんダイナミック。
質の高いCGに支えられた、どうやって撮ったのか全然わからないダイナミズム溢れまくるカメラの動き、一枚絵として迫力あるショット、とにかくグリングリン動いて、バーンとキメる!みたいなSFならではの映像美が楽しめます。
序盤の外殻が透明なヨークタウンに寄港する場面などは、一気に映画の世界にこちらを引きずりこんでくれますよ。

3D映えしそうな題材ですが、たしにところどころ恩恵を受ける箇所があります。
奥行きは最近の3D映画のなかでも突出して感じられました。
ですが、艦内の場面など照明が抑えられると細部のディティールを潰してしまうので格段に見辛くなってしまうのが難点。
比べて、昼間の場面は良好。
また、一番立体感が感じられたのは本編ではなく、エンディングの色彩豊かな宇宙空間でした。
これは「タイトルロゴが一番飛び出す」と並んで、3D映画あるあるになってきましたね(苦笑)

エログロとは無縁ゆえ、お子様を交えての家族鑑賞にも向いている、手堅い出来の冒険活劇。
宇宙はロマンだ!と言う方には特にオススメ致します。


セル・ブルーレイ3Dにて