手作り粒あんが非常に好きなこともあり、徳江さんが小豆を煮ている時の描写でにおいまで感じるようだった。
実家の母が行事のたびに小豆を煮て、ぼたもちや草餅、まんじゅうを蒸していたのを思い出す。小豆は私の大事な根っこに関わっている存在かもしれない。
日本の立場の低い嫁たちが、男尊女卑の屈辱を抑圧しつつも、家庭でやさしくやさしく小豆を煮て、小さな豆の声を聞いてきた。そんな歴史がうかび出てくるようでもある。
ハンセン病の差別はすさまじい。そんな中で生き残り、70代で「200円でもいいから働きたい」と夢を叶えたり、気になる人に寄り添ったり行動する姿がおなかにじんわりとずしりと力をくれる感じがした。
カナリアのところで泣けた。いい映画が観れてよかったです。