p

シン・ゴジラのpのネタバレレビュー・内容・結末

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

公開当時、ハリウッド版ゴジラが米国で文字通り暴れ回る様にヒットしていた為、邦画でゴジラを再構築することそのものに、やや排他的な声も多かった中でのこの作品。
東日本大震災から5年ほど経った時期に公開という事もあり衝撃的でした。

現代の東京に出現する巨大不明生物と、巨大不明生物の脅威から日本を守る為に奮闘する政府とその人間。
少なくない情報の中で、
冒頭にクルーザー船を出し直後に噴火の様な水飛沫。
クルーザー船には放射線の研究を続けていた牧悟郎博士の遺品。
被爆した妻により国を憎んでいた(と思われる)博士…。
ゴジラの正体を思わせるかのような牧博士の存在もしっかり描きつつも、答えまでは描かない。

ラストシーンでも同じかと思います。
ヤシオリ作戦が成功しゴジラは凍結。
最後は尻尾の先端にカットが行き、そこには無数の人型の怪獣が、繭から出てくるかのような生命力を保って停止している。
まだ知らないゴジラの新たな姿を顕現させる寸前で凍結に成功できたという解釈。
または凍結に成功したもののさらに新たな姿として大きな体を捨てた無数のゴジラによる進撃の準備段階に入っていたという解釈。

主人公は遠くに佇む凍結したゴジラを見て、”まだやるべき事がある”と言い残す。
ゴジラにより被災した街の復興に注力する様にも、
まだ凍結した”だけ”でありゴジラとしての活動は続いている事を知っている上で”やるべき事”を見据えている様にも、どの解釈をとっても正解に映る。
作品としてある種振り幅のある投げかけ方をしている部分がいいと思いました。そういう作品が好きです。

そして、そのどちらを正解と捉えるかは、(どの作品に於いても)
”わたしは好きにした。君らも好きにしろ”で良いと思っています。
p

p