ルイまる子

シン・ゴジラのルイまる子のレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.6
火事場の馬鹿力、危機はこの国を成長させる。

【2017年にyahoo映画に投稿】やっと見た。しかも先日のTV放送途中まで見て、ビデオ予約失敗し、悔しいのでやっとこさGYAOで視聴。

いい映画だった。公開された当時自分の趣味に合ないだろうと避けていたのだが、劇場で見ておけば良かったと今更後悔。本当に久々に世界に堂々とこれこそ日本映画だと見せたい映画だと思った。しかし鍵括弧付き。なぜか?それは、従来の映画とは全然違うから所謂エンターテイメントを求めていたらがっかりする次世代スタイルの映画だ。理系オタク向けの細かくリアリティ溢れたシュミレーション的実験映画だ。色んなツールや実験をしそれを細かく再現する。前半壊滅的に破壊させられた東京を最後の最後に火事場のバカ力で立ち直らせる。「危機は日本を成長させる」。

米国との距離の取り方を見せる色々な名台詞:
竹野内豊、「総理そろそろ好きになさったらいかがですか?」(もういつまでも米国の傘の下ではなく自国の事は自国で決めては?)

「アジアの端の国だからどうでもいいと思って」竹ノ内「いいや、喩えニューヨークであろうと同じ決断をする『そうだ』」。

ここ、反米的な言葉に対しいや、アメリカはそんな悪い意図はない、と庇っているようでしかし「そうだ」と言ってるから自分の意見じゃなく彼等がそう言ってるという距離の取り方、だから反米かと思いきや最後にはやはり米国に手伝ってもらうから同盟国のまんまなのね、と…色々あります。

いくつか好きな台詞や展開:
「(ゴジラは)細胞膜を持っている。霞を食べて生きて行ける、人類の福音である。」
高橋一生が特に良かったが、出世コースを離れた(または興味のない)落ちこぼれオタク集団でチームを組むがこのチームが最強。

パーフェクトな女性として描いているが、ちょっとクエッションマーク??な(世界には多分通用しない)女:
石原さとみがセクシー系か可愛い系のパーフェクトな女性として登場するが、背が低過ぎる、足短か過ぎる、非常事態なのにパールのピアスしてる、ヒールの高過ぎるパンプス履いてる姿が無理してる。しかもイーオンで習った英語は早口だけど発音がイマイチ。もっと足の長い英語の出来る女優さんいなかったの?と思ったが、否、これが日本人だ。日本の男は石原さとみくらいのコンパクトで幼い女の子が好き、しかも英語もあまり上手くないあれくらいで愛嬌のある女子高生か家庭教師のおねえさんが好きだから、そこら辺も日本的で良かった。
ルイまる子

ルイまる子