やし

杉原千畝のやしのレビュー・感想・評価

杉原千畝(2015年製作の映画)
3.8
「世界を変えたいと思ったことはあるか。おれは常に考えている」


邦画だと思って油断してたが、字幕率体感7割…
映画観ながら(半分聞きながら)かるーく筋トレでもしようと思ってたのに…
しかも、結構グッとくるシーンが多いときたもんだ😭
もう正座ですよ、そりゃ。


「センポ・スギハラを探している」
昭和30年、日本の外務省に一人の外国人が訪ねてきた
「そんな者は現在も過去にもいない。お引き取り願おう」
応対する者は冷たく言う
だが、
「自分はセンポに命を救われた何千人のうちの一人だ。また会うと約束した。絶対に諦めない」
そう言い残し外国人は立ち去る。


これは一人の日本人外交官の話。


杉原千畝
正直…、この人の功績が分かりにくいところもあったけど、それはおそらく自分が歴史に激疎いなどリテラシーの問題が一つある…。
どうしてもそこまでヴィザに価値があるのかと。

ただ、外交官という人たちが世界の狭間の最前線にいるということ、そして、本国から遠く離れながら誰よりも"国"に縛られているということは分かった。

だからこそ杉原千畝の決断、及び行動は異質のものであったのだろう。
また、だからこそ、その想いを持ちながらも杉原のように行動できなかった人たちは杉原に援助が出来たのだろう。
根井や大迫の行動も評価に値するものなのだろう。


「世界は車輪だ。今は下にあってもこの先は分からない。車輪が回った時、悔いのないように」


杉原は第二次世界大戦の始まり、そして最悪の結末を予想し、それを阻止しようとした。
だが国は動かなかった。。

杉原は目の前の人々を見捨てなかった。
国に逆らってでも。


人のお世話にならぬよう
人のお世話をするよう
報いを求めぬよう



【補記】
この映画の話を母としていたところ、物知りな母は当然のように杉原千畝を知っていたが、杉原と同じく、評価されるべき人として、【ラウル・ワレンバーグ】の名前を挙げていた。
時代は杉原と同じくして、なんとナチスに真っ向から対抗して、10万人ものユダヤ人を救った人らしい。
その後、拉致され長年消息を断っており今なおその行方は不明だとか。
歴史の影に隠れ凄い人がいたもんだ。
是非とも良質フィルムメーカーでの映画化望む!
やし

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