ノア・バームバックって「若者からしたらカッコよく見えなくもないけど、実際30にもなって青春時代を引きずってるちょっと痛い大人」みたいな、自分の中にも外にもちょっとずついるようなキャラクターを静かにリアルに描くから、ある意味グロテスク。でも決して性格が悪い写し方はしないのが彼らしいところ。登場人物を愛してるのがよく分かる。
金持ちの豪邸にガキどもをゾロゾロと連れて行ってからの口喧嘩の応酬が素晴らしい。これ、会話版の『シビル・ウォー』じゃん。家の中の高低差とか、みんなが自由に歩き回りながら関係がもつれていく感じとか、舞台を上手く使った会話のアクション劇だ。
彼氏の浮気を未然に防ぎたすぎて、電話にいちいち「セックスの話?」とつっかかるニコレットが可愛かった。メイミー・クレアとか、撮り方によってはイヤな感じに写ってしまいそうなキャラクターも可愛くコミカルに描かれてるの素晴らしいと思う。喜劇だよね。人間って楽しいねえ。