ルイまる子

恋人たちのルイまる子のネタバレレビュー・内容・結末

恋人たち(2015年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

暗く重く貧乏だったり、差別されたり、行き場のない人達の物語です。しかし、そんな角に追いやられた人を微かだが救ってくれる人が所々に出てきます。

【ココからネタバレ】
例えば、妻を通り魔に刺され真っ暗な男性に声を掛ける若い女子社員。彼女のお母さんが一緒にテレビを見ようと言ってくれたらしい。「なんで僕が全く関係ない君のお母さんとテレビを見なきゃいけないの?」って男は言ったけど、こういう心遣いが嬉しいのだ。「ありがとうってお母さんに言っといてくれ」と伝えた。傲慢なホモの弁護士は、依頼人の悩みなんかよりエアコンの方が気になるような人には興味のない自分本意な男だった。でも、最後には関係のない理由でだけど依頼人の話す間に涙を見せた。そしたら依頼人は喜んでくれた。その瞬間初めて他人と心が通じ合えた。いい弁護士さんですね、って言われた。万年筆をすっと端の方に置き直した。もう、初恋の男に固執するのはやめたんだろう、あの瞬間。

雅子様ファンの貧乏な主婦が、束の間の恋をするが、相手がとんでもない男だった。彼女って腐女子?漫画や物語を描いていた、おばさん顔にふとっちょなのに、オシャレする時は結構可愛らしいワンピース着たりブーツ履いたりしていたが。。。しかし、何故あのストーリーだけきめ細かく描いたんだろうか。そんなに面白い話でもなかった様な気がするが。無邪気な主婦役の女優さん、ああいう人をブスカワと言うんだろうか。可愛らしかった。彼女の告白はあまりに子供じみていて、とてもフランス人には見せたくない代物だったが(いや、日本人の精神年齢って万年12歳?と絶対思われそうだから)、元上司にどうやら告白されたらしい、それ何十年経っても解らなかった話など、確かに今まで行きて来た人生、世の中の殆どの事象を誤解して来たんだろう。無知というのでもなく、次元が違っているのか、良く言えば俗っぽさがなく、本能的にとても公平な目で人を見る、それとも幼過ぎるのか、彼女を言い当てていた。

ほんの微かな心の状態を見せてくれる映画でした。数センチ気持ちが上昇する、こんな瞬間に人は救われるんだろう。
ルイまる子

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