オールタイムベストに入る作品。理屈抜きで、好き。
何度も観ているのですがレビューできずにいました。重たい描写が多い韓国映画の中にあって、清涼剤のような、クリアさの際立つラブストーリー。
目が覚めると姿かたちが変わって別人になってしまうという奇病を抱えた主人公キム・ウジンを123人の俳優が代わる代わるに演じるというだけでも眼福、映画的な快楽に溢れた作品だけれど、圧巻なのはヒロインの感情が濃密に描かれ始める後半パート。
彼を一人の男として愛し、悩みぬくヒロイン イスの感情の揺れの描写がめちゃくちゃリアルで、、彼女と一緒に涙するうち、いつの間にか一風変わった設定も忘れて、彼女の恋物語の中へ引きずり込まれていく。
外面とか内面とかそんなことじゃなくて、この映画が伝えたいメッセージはごくごくシンプル。一人の人を想い、愛することの普遍さについて。
人を愛することとはどういうことなのか、に真摯に向き合った奥深くて優しい物語。ビジュアルの美しさも秀逸。
「わたしはこの中のキム・ウジンを愛しているから」
辿り着いた結論、”True romance”が鳴り響くハッピーエンド。
こんな至高感を知らない。いつ見ても新しく、いつ見ても同じように感動する。
ヒロインのハン・ヒョジュがとんでもない魅力、彼女の笑顔に癒され、彼女のひたむきさに共感し、彼女の笑顔に心が奪われていく。今回もまた、ハンヒョジュに惚れ抜いてエンディングを迎えるのです。こんなにヒロインが魅力的でその魅力がストーリーを引っ張っていく、愛しさに溢れた映画も他にないんじゃないか。一生自分の中に残り続けるであろう、大切な作品です。
