RYUYA

クリード チャンプを継ぐ男のRYUYAのレビュー・感想・評価

3.5
『クリード 七光りはつらいよ』

観てきました。40人しか入れないシアターのA列ド真ん中で。サービスデーに群がるジジイたちの応酬に、座席争奪戦で1RKOされての鑑賞。
色んな意味でアツかった。

ロッキーシリーズは『ザ・ファイナル』以外観てますが、高校のHRで、という特殊な状況下での鑑賞なので、記憶からこぼれ落ちてるんだよなぁ。
鬼みたいな体育教員に「ロッキーは見とけ」と半ばパワハラの勢いで見せられてなぜか泣けたのが1作目『ロッキー』。

「アルパチーノにもポールマッカートニーにも似てるのに、何てマッチョな役者なんだ」という印象から、
鑑賞後は「アルパチーノとポールってロッキーに似てるけどだらしねぇカラダだぜ」という態度の反転を見せてしまう程の大傑作でビックリ。
今年も一回観直した。


それで挑んだ『クリード』。
結論から言うと、
「『ロッキー』は越えられなかった...!」

そこを目標としない映画であるのは一目瞭然なんだけど、これ、監督ライアン・クーグラーのロッキー愛がとにかくもう、強すぎて、何か違う。
なんか引くわコイツ。

オマージュに溢れたその内容が、逆にロッキーシリーズを知っている人ほど読めてしまう展開の映画になってしまっている。
試合のシーンなんて、ひとつの映画の中でじっくり見せるのは2つくらいがベストという法則をこのシリーズはボクシング映画界に打ち立てたけど、、、
裏を返せば「初戦で勝つと二回戦は負け」という盛り上げ方が露呈した法則でもあるわけで、、、
まぁ、イチャモンっすね。

今作は、拳ベースじゃなく心ベースだった。格闘技映画としてなら『激戦』や『ウォーリアー』をかなり下回る映像表現だけど、この映画はそれでもアツイ。
『フルートベール駅で』で黒人差別を痛烈に描いたヤツがまたもや心の暗雲を丁寧に描く‘‘七光りはつらいよ”なんだよね。だから、ジョーダンの「涙ポロリ」は素晴らしかった。佇まいのあどけなさや、金持ちという映画の主人公的には不安要素しかない設定をハネ返す、身体の説得力。

でも1番素晴らしかったのは、スタローン。
「スタローンが演技してる!!」という衝撃たるや。椅子から転げ落ちる如し。
サイコーの隠居野郎だったなぁ。
箱の中で戦う二人の男、アツし。

これで更に相手の選手たちも魅力的に描けてればなぁ、、


最後にライアン・クーグラーあるある

・平気でテロップを出しがち
・ヒップホップのセンスありがち
・決して劇的ではない瞬間にもスローモーションかけがち
・台詞でメタファー入れがち
・マイケルBジョーダン起用しがち
・母の涙を描きがち

以上