KnightsofOdessa

ア・クリスマス・ストーリーのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

1.0
No.721[テレビ特番で良いのでは] 0点

これは酷い。季節外れの『ハロウィン』公開に併せて、私も季節外れな映画を見てやろうというこじつけの下、アメリカではクリスマスの定番となっている本作品を鑑賞。しかし、1980年代の映画界を凝縮したような、テレビの延長線レベルの通俗性としょーもなさを持っていた。映画というかテレビ特番といった方が良さそうだ。しかも、"ここ面白いよ!俺面白いこと言ってるよ!"みたいなテンションのナレーションが過剰で只管ウザい。放送事故にならないように延々と喋ってんのか?映画ナメんな、タコ。

一応、物語はプレゼントにBBガンが欲しいラルフィー少年が、危険だという母親とアホっぽい父親に如何に買わせるかを主軸に、クリスマスまでの三週間を綴った記録である。フラッグポールに舌を付けてくっついちゃったり、変な形のランプを飾ったり、いじめっ子をボコボコにする妄想をしたり、テレビ的な過剰演出が延々と続く。確かに、父性神話がボロッボロで母親のほうが断然しっかりしているとこや核家族であるとことかは現代的な家族像なのかもしれないが、それが面白さに絡んでくることはない。ロシアではクリスマスや正月の時期にリャザーノフの『運命の皮肉』や『すべてを五分で』が毎年放送されている。それに対してアメリカではこれか。これだけ見ると、文化的なレベルではロシアのボロ勝ちだね。

二箇所だけ、パレードでミッキーがドロシーを追い回して返り討ちにされるシーンと、サンタのスライダーが事務的に回収される露悪的なシーンだけは良かった。加算する気にはならん。以上。
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